2017年9月28日木曜日

Shiela Jordan Concert / シーラ・ジョーダン・コンサート



今週のウィーンは寒さが引っ込み気持ちの良い秋の気候です。

もう1週間ほど前のことですが先週の金曜日(9月22日)は、妻と次女と3人でシーラ・ジョーダンのコンサートに行ってきました。会場はPorgy and Bess。バックは、ベースのPeter Herbert とPianoのRenato Chicco。二人ともオーストリアのジャズ・ミュージシャンです。 2年近く前に彼女のコンサートに行ってとても感動したので(こちら)、コンサートがあるとわかった時点で、是非行こうと行って、すぐにチケットを購入しました。

11月に89歳になるという彼女、全くの衰えも見せずに堂々たる歌いっぷり。ジャズ・レジェンドの貫禄たっぷりの素晴らしいコンサートでした。

今まであまりジャズボーカルには興味は無さそうであった次女ですが、コンサートの翌日、僕のハードディスクにリッピングしてあったジャズボーカルのディスクをかたっぱしからコビーしてました。大学に戻ってから聴くとのこと。こういう時は父親冥利に尽きますね。

次女は一昨日イギリスの大学に戻りました。妻と二人のエンプティー・ネスターの生活です。


2017年9月22日金曜日

ダイアナ・クラール・コンサート、Diana Krall Concert



ウィーンは、先週半ばからめっきり寒くなり、日中の気温が14度前後、雨が数日続き、昨日はちょっと晴れましたがそれ以外は曇りがち。日照時間も短くなり、暖房も入れています。

去る火曜日(9月19日)はダイアナ・クラールのコンサートに行ってきました。会場はウィーン・コンツェルトハウス 大ホール。彼女のウィーンでの人気は高いようで、二日続けてのコンサートの妻は行かなくて良いといったので僕一人です。バンドのメンバーは以下の通り:

Stuart Duncan , violin、Anthony Wilson , guitar、Robert Hurst , bass、Carrie Riggins , Drums

前に書きましたが(こちら) 僕はとくにクラールの歌・演奏が好きだという訳でなくどちらかと言うと、彼女のアルバムがなぜこんなに売れているのか判らないと思うことのほうが多かったのですが、最新の「Turn Up the Quiet」をとても気に入っていて、ヘヴィー・ロテーション盤となっているので、ニュー・アルバム・ツアーのポスターを早速チケットを買ったのが2ヶ月ほど前のことです。

コンサートはとても良かったです。とくに、いわゆるジャズのスタンダードの曲がいいと思いました。バークリー音楽大学を奨学生として卒業したクラールのバックグラウンドはジャズだからなのか? 単に僕がジャズを好きだからなのかは判りません。Tom Waitsの
「Temptation」や Joni Mitchellの「A case of you」なども歌ったのですが僕にとってはインパクトが少なかったです。でもアンコールで歌ったThe Bandの「Ophelia」は良かったな。

売れている著名なアーチストのコンサートに行っていつも感じるのはバンドのレベルの高さです。クラールも例外でなく、バンドのソロ、とくにギターとバイオリンの掛け合い、ドラムとベースの掛け合いなどは名演で、そういう観点からもとても楽しめました。

座った席は、ステージ真横のバルコニー。ちょうど、ピアノに向かうダイアナの真正面で目があったような気がしてゾクゾクとするようなヴィジュアル的には最高の場所でしたがなんと、PAスピーカーの後ろで音響的には最悪の場所だったのがちと残念でした。 

クラールのオフィシャルHP: http://www.dianakrall.com/ 「Video 」のタブをクリックすると「Turn Up the Quiet」挿入曲の動画が見れます (こちら):

コンサートでの演奏はこんな感じでした (バンドは上記のメンバーです):










2017年9月15日金曜日

クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 コンサート・Christian Thielemann Conducts Sächsische Staatskapelle Dresden at Musikverein


今シーズン初コンサートはクリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団でした。先週末(9月9日土曜日)のこと。妻は次女と一時帰国中、長女はすでにオランダで新学年が始まっているので、僕一人で行ってきました。会場は楽友協会大ホール、プログラムは以下の通り:

Felix Mendelssohn Bartholdy: Overture "The Hebrides", op. 26
Max Bruch:Concerto for Violin and Orchestra in G minor, op. 26
Johannes Brahms: Symphony No. 2 in D major, op. 73

ソリストはNikolaj Znaider (ニコライ・ズナイダー)

数年前、著名な音楽学者の方にお目にかかった際、曲の演奏・解釈は口授で引き継がれて、それが伝統になっているというお話をされて、ティーレマンは現役の指揮者の中では数少ないウィーンの伝統を引き継いでいる指揮者だから是非聴きに行った方が良いと伺ったことがありました。以来、聴きたいと思いつつも日程があわず、ようやくその希望がかないました。

そんな事もあってとても期待して行った演奏ですが、まず感じたのはテンポの幅がとくに大きい。速度記号で速くと指示されている部分ではこれでもかといったように飛ばしているといことでした。とにかくブルッフではソリストもガンガン飛ばしてオケが必死でついって行っているという印象。ゆったりとした部分では感情のこもったロマンチックな感じでしたが...。後半のブラームスもそんな感じ。ブルッフもブラームスも好きな曲でいろんなレコードを持っているし、ライブで何度も聴いたことがある曲なのですが、今回の演奏は僕が色々と聴いてきた結果、持っている曲のイメージとはだいぶ違うものでした。好きか?と言われると、わからないというのが正直な答えです。でも一度ティーレマンが指揮するウィーン・フィルを聴いてみたいです。

ティーレマンはウィーンでは大人気のようで、オーケストラが退場してからも、何度も何度もカーテンコール(カーテンはないのですが)に応えて出てきておじきをしていました。僕は7度目まではいましたけど、ちょうど見に来ていた友達にバッタリあって、一杯飲みにいこうということになってコンサート・ホールを後にしました。

ちなみにニコライ・ズナイダーのアンコールは、バッハ無伴奏ソナタBWV 1003 - 3rd movement (Andante)。これも割と個性的な演奏だったと思いました。


2017年9月8日金曜日

Supra (スープラ)電源ケーブル - LoRad 3x2.5 SPC (Silver Plated Copper) - 続きを付記 (9月11日)



今年5月に「Supra Cables」のブランドのスウェーデンのケーブル・メーカー、Jenving Technology AB CAT 8 LAN ケーブルを買った際に(こちら)見つけて一緒に買った同社の電源ケーブル  LoRad 3x2.5 SPC (Silver Plated Copper) 。 創立40周年記念商品
で初期ロットのみの限定生産とのこと。欧米での同社の電源ケーブルの評判はとても良いので試してみようと思って買ったのですが忙しさにかまけてほってあって、2週間ほど前からようやく試用開始。

Supraのベストセラー電源ケーブルにLoRad 3x2.5Mk.II というのがあります。これは2.5mmの錫メッキ純銅線3本を半導電性のナイロン・カーボン繊維でシールドしたケーブル。欧米のオーディオ誌で高い評価を得ているのみならず、スウェーデン空軍のジェット戦闘機(JAS)、ヨーロッパの各地の主要航空管塔、病院など人命を預かるところへの導入実績がある信頼のおける優れものです。40周年バージョンは、このLoRad 3x2.5Mk.IIと同じ構造の電源ケーブルを銀メッキ純銅線を使って製造したものです、値段は通常品に比べておよそ3割増し。

端子が付いていない切り売りの物を買ったので、引き出しに眠っていたフルテックのFI-11M (G) とFI-11(Cu)を取り付けて、Weiss DAC2 につないで試聴しています。 ちなみに今まで使っていたのはVH Audio のスタークワッドケーブル(こちら)で作った自作品。水撒きホースの太さでガチガチに硬いケーブルです。プラグは同じくフルテックのFI-11M (G) とFI-11(Cu)のペア。

LoRad 3x2.5 SPC Jenving Technology AB HP より引用 
http://www.jenving.com/products/view/lorad-3x2.5-spc-grey-b50-3004000042

つないですぐに音だしすると、今まで聴いていた音とはハッキリと異なる音。電源ケーブルの違いは大きい!今更ながらびっくり。 でも、バランスが高域よりで低域のインパクトに欠けちょっと煩い感じなので、暫く通電して様子を見ることにしました。

3日ほどで音が落ち着きよい具合になってきたのでじっくりと試聴しました。情報量が増えて、今まで聴こえ無かったが音が聴こえきた音源もいくつか出てきました。もう7年ほど使ってきたWeiss DAC2 は詰められる所は詰めたと思ってきただけあって、電源をケーブルを変えただけでさらにここまで変わるとは夢にも思っていませんでした。煩さもなくなり、低域もVHケーブに比べると量感が若干落ちる気がするものの質感はあがった感じです。帰省している、イギリスの大学の電子工学部でMusic Technologyを学ぶ次女にも聴いてもらってこの違いが気のせいでない事を確認。次女は電源ケーブルを変えただけで何でこんなに音が変わるかということが不可解でならない様子。

こうなってくると、もっと良くなるのではないかと思い、プラグを替えるともっと良くなる?なんていろんなアイディア頭の中を走り回ります。で、思いついたのが今流行り(?)のファイメット・コアを使ってみること。VHケーブルとSupraの違いはシールドの有無だったので、ノイズ対策が効いたのかと考えたのです。で、早速以下の写真のようにIECコネクター側にファイメット・コアを挿入。とくに苦労も無くすんなりとできました。


これも、大正解! 若干ではありますが確実に情報量が上がりました。アコースティック楽器の質感がよりハッキリを聴こえてくる感じです。 

続きです(9月11日):

LoRad 3x2.5 SPCケーブルもAC端子も予備があったので、電源ケーブルをもう一本作ってプリアンプで試してみました。最初は、「ん?」音の傾向が違う、音が悪くなった感じがして、一日通電しても変化が無かったので、元のVH Audioの戻すと、こちらのほうが良い音。 適材適所かと思い、抜いたLoRad 電源ケーブルを見ると、なんと、端子の取り付けが印刷されている矢印と逆になっているではないですか? 

疲れているのかな(実際にとても忙しかったので)とちょっと落ち込んでしまいました。 電源ケーブルの方向性だけでそんなに変わるものなのか?と懐疑的な気持ちを持ちつつも、思い直して端子を付け替えて再挑戦。こういうときにはLoRad 3x2.5 SPCのようにほど良い太さで、柔らかいケーブルとFurutecの用に取り付け勝手がよい端子のありがたさが身にしみます。 

そして、音だしすると、「おお~」まずその音のよさに感心して、電源ケーブルでも方向性でこれだけ音が変わるのかと驚きました。今まで聴こえなかった音、楽器の質感、音場の空気感がより聴き取り易くなりました。

DACとプリアンプの電源ケーブルをかえてから2週間ほどたって、念のためにVHケーブルと付け替えてみると、今のシステムと今の自分にとってはLoRad 3x2.5 SPCのほうがだいぶ好ましいことが認識できました。LoRad 3x2.5 SPC と 通常バージョンを追加注文したのでパワーアンプ、フォノイコでもためし、通常バージョンと40周年記念バージョンの違いも追々試してみたいと思っています。

不思議ですね、もう詰めきったかと思っても意外なとこからブレークスルーが得られるのですね、これだからはオーディオは辞められません。

Jenving Technology AB サイトLoRad 3x2.5 SPCのページ :

Supraケーブルの日本の輸入元:http://www.saec-com.co.jp/product/index.html
 (安全基準の関係なのかSupra電源ケーブルは扱っていないようですね)

いまはポンド安・ユーロ高なので、ぼくはこのWebshopから購入:




2017年9月4日月曜日

Edward Burtynsky 写真展


8月後半は、来客が多く、長女が大学に戻ったりと気忙しくて更新が怠っていました。ウィーンはもうだいぶ涼しくなりすっかり秋の始まりといった感じです。

さて、もう2週間ほど前のことなのですが家族でEdward Burtynsky (エドワード・バーティンスキー)の写真展をThe KunstHausWien (クンストハウス・ウィーン)で観てきました。

人が自然に及ぼした影響を主題にいくつかの大きなプロジェクトを成しえたカナダの写真家バーディンスキー氏の今回の対象は水。氏のサイトでイメージの概要が見れますが(こちら)、高い社会性、問題意識を単なるドキュメントではなく、類稀な素晴らしいファイン・アートに昇華させてみる人を魅惑すると共に、その美しさの背景を知ることにより強い危機感を植えつけるとてもパワフルな作品たちでした。

中判・超高解像度センサーを取り入れたハッセルブラッドのデジタルカメラで撮影し、大きく引き伸ばされた写真の緻密さも凄かったです。どこかで見に行く機会があれば是非ご覧ください。