2015年6月23日火曜日

ウィーン・フィル定期コンサート:マリス・ヤンソンス指揮 マーラー交響曲3番


去る、6月20日土曜日はウィーン・フィル定期コンサートに行ってきました。マリス・ヤンソンス指揮のマーラー交響曲3番です。妻は、マーラーは特に好きでないとのことで自分ひとり。15時30分開演の昼間のコンサートです。メゾ・ソプラノのソロはBernarda Fink(ベルナーダ・フィンク)、合唱はDamen des Singvereins der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien (ウィーン楽友協会女性合唱団)とWiener Sängerknaben  (ウィーン少年合唱団)。

ご存知かもしれませんが、定期コンサートはウィーン・フィル会員のシーズンチケットのみ販売でそのウェイティング・リストが数年~十数年といわれています。でも、コンサートある週の月曜日にウィーン・フィルのオフィスでは、コンサートに行けない会員のチケットの委託販売が行われます。仕事もあってなかなか月曜日の朝、買いに行くことは出来ないのですが、マーラーの3番はマーラーを聞き始めた30年ほど前に聴いて以来とても好きな曲なのでどうしてもいきたくて、並んで買ってきました。僕は、マリス・ヤンソンスがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とやったマーラー3番のCDを持っていて、これがいい演奏なので、期待していきました。

冒頭のホルンの美しい響きに思わず涙ぐみたくなるような気持ちになり、思いのほかゆったりとした第一楽章でうっとりとどっぷり曲に引きこまれました。今まで、いろんなオーケストラをコンサート聴きましたが、管楽器のすばらしさは、ウィーン・フィルがピカ一かもしれません。弦楽器も楽章ごとに曲調にあわせて音色を変えていくのもさすがです。当然のことのように思われるかもしれませんが、特にマーラーのシンフォニーのような曲でこれだけ一体となって自在に音色を操れるオーケストラというのもあまりないのではないかと思います。しっかりと力強いピアニシモ~音が飽和しないぎりぎりの極限まで音量を上げるフォルテシも。すばらしいとしか言いようがありません。このようなすばらしいオーケストラに奏でられたマーラーの3番は、フィンクのエレガントな歌声とウィーン少年合唱団の清らかでしっかりとした合唱、そして、これまたすばらしいウィーン楽友協会女性合唱団も伴って最高の演奏だったと思います。 いってよかった。 

何か特別だったこの日の演奏は、多くの観客の琴線にも触れたのか、5分以上続いたスタンディング・オベーション。楽団員が去っても続き(僕がウィーンに来て初めての体験)、ヤンソンスが再度出てきてやっとやみました。

ヤンソンスとコンセルトヘボウのマーラー3番 (音もとてもいいと思います)と僕がこの曲を好きになるきっかけとなったアバトとウィーン・フィルのレコーディングです。


2015年6月19日金曜日

ウィーンのパブリック・アート


毎夏、ウィーン随一の目抜き通り、グラーベンに設置されるパブリック・アート、朝の通勤時にその設置作業が行われていました。



帰宅時にはこのように観光記念写真のスポットになっていました。

2015年6月13日土曜日

Nikon D700からNikon D750へ買い替え



3週間ほど前にやって来ました :) D700からの買い替え、D700はまだうちにあるので正確には買い足しですね、いまのところ。

とてもいいカメラだと思います。素晴らしく良く写ります。D810にしようかと思っていたところにD750が出て来たのでどっちにするか凄く悩みました。最終的には持った感じの持ち易さ、軽さで決定。主に使うのは、セミ・プロのカメラマンとして最近仕事も増えてきた妻なので彼女の意見を尊重。D700より155g軽いという違いは、想像以上に大きかった。我が家のフルサイズDSLRの標準装備であるカメラ+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED+SB−700+予備のバッテリーを持ち歩くことがそれほど億劫でもなくなりました。懐もそれほど軽くならなかったのもよかった。

ニコンのフルサイズ デジタル一眼の購入でD810かD750か迷われている方には、お仕事で高画素数が必要であるというのではない限り、D750が僕のお勧めです。とくにD810レンズキットを買うのであれば、D750を買っていわゆるプロ・ズームが単焦点レンズを買うのが得策かとおもいます。個人的な意見としては、D810+24-120のキットよりも、D750+AF-S 24-70F2.8の方が、値段は一万円ほど高くなるものの、よりシャープや画像を記録することが出来ると思います。ズームレンジも若干狭まりますが、少なくとも僕と妻が撮るほとんどの写真はこのレンジで対応可能で、それ以外だとワイド・ズームか望遠ズームを使っています。

僕にとっては24-120というのはチョッと中途半端なレンジなので、もしレンズを一本だけという希望があるのであればAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRのほうがお勧めです。このレンズは義父も父も持って使っていますが、良く写るレンズで、高倍率による機動性・利便性は若干の画質の劣りを補っても余ある物だと思います(父は12−120を使っていた時期もありました)。価格も24−120より安いです。D750+28- 300mmVRだとD810ボディのみの価格より安上がり:)。D810を好まない訳ではありませんので誤解の無いように。

D700からの買い替えだと、D750は操作系が若干異なるので慣れが必要、でもコントロールが制限される訳ではありません。あと、D750をD700(あるいはD800・D810)と、となり同士に並べて比べるとD750の方が軽量級に見え、華奢な様にも感じる事は否めません、しかし、数時間でもD750を使っていると何の違和感も感じなくなり、マグネシウム合金とカーボンファイバーのボディーは堅牢で全く不安を感じさせません。D700同様に信頼出来る相棒になりました。

もっと詳細なインプレッションを執筆中で近々掲載しますので乞うご期待。 

D750のほかにお勧めのレンズもアマゾンのリンクを載せておきますのでよろしくお願いします。僕は6年ほど前にライカ機材をほとんど処分してこれらレンズを購入しましたが(当時はニコンのレンズの値段ももっと安かったです)、ライカの最新ASPHレンズに勝るとも劣らない描写です。(でも、正直言ってズミルクス50mm1.4 ASPHは売らなければ良かったと今でも後悔してます、、、) D810は参考まで...。


2015年6月11日木曜日

ウィーン国立歌劇場バレエ学校(Wiener Stattsoper Balletakademie) の発表会


さる日曜日(6月7日)家族3人でウィーン国立歌劇場バレエ学校の発表会を見てきました、会場は、ウィーン少年合唱団付属のコンサートホール「Muth」。

このバレエ学校は1771年に創設されたもので、パリやサンクトペテルブルクと並び、最も長い伝統を誇るクラシック・バレエの学校とのこと。世界中から選ばれて集まってきた10代の生徒達がバレリーナになるべく学んでいるところです(日本人の生徒さんもいます)。2ヶ月ほど前に次女が属する次女の学校のオーケストラとコラボレーションの公演をやったこともあって見に来ました。前半はモダン、後半はクラシックが中心のプログラム。伝統ある学校の優れた指導とサポート(衣装・プロの演出家・振り付け師等々)で子供達の才能が120%発揮された素晴らしい発表会、というよりは立派な公演でした。卒業を控える年上の子供達の演技は素晴らしく、一緒に行った元プロのバレリーナの方によると、卒業後は著名なバレエ団の主役級の役を得られることは間違いないとのこと。パフォーミング・アーツの伝統を継続するためには後継者を育てていくという環境・体制・インフラが大切だということをつくづくと感じさせられました。

ウィーン少年合唱団付属のホール「Muth」
ちなみに、今回公演の行われたウィーン少年合唱団付属のコンサートホール「Muth」は、合唱団の学校と宿舎のあるウィーン2区のアウガルテン公園内に2年半ほど前に(2012年)に出来たコンサートホール。何とウィーンでは100年ぶりに建てられた新しいコンサートホールなのだそうです。現代的でありながら暖かみのある素晴らしい音がでる会場です。

MuthのHP:http://www.muth.at/


2015年6月7日日曜日

Qobuz 16bit/44.1kHZ ロスレス・高品位ストーリーミング ー その4(たぶん、最終回)


いままでquobuzの使い方、機能、音質について書いてきました。今回は現時点での欠点・改良して欲しい点や今後の展望などについてまとめてみます。

特に気になった欠点・改良して欲しい点等

Qobuz Desktopアプリに関して
  • 十分に安定していない・完成度が低い。最近は少しよくなりましたが、導入当初はかなり不安定で突然再生がとまり、アプリの再起動、果てはMacそのものの再起動が必要になることもしばしばありました。言語対応が十分で内容で、まずユーザーが言語を選べなく、会員登録内容と登録時のIPアドレスで自動的に表示言語が設定されます、ドイツ語がだめなわれわれにとっては不便なのですがこれはもしかすると意図的にそうなるようになっているのかもしれません。それでも、メニューバーはフランス語のまんまというのはちょとね~と思ってしまいます。  
  • アプリに自動アップデート機能がない。いちいちサイトに行ってダウンロードしてアップグレードしなければいかないのですが、もっと困るのがアップデートの有無すらHPになく、アプリダウンロードのページにリリースの日時・バージョンの記載がありません。で、ヘルプのページに行くと、問題がある場合は、ダウンロード・インストールをしなおするように、そうすると新しいバージョンになりますと書いてあります。 でも、新しいバージョンなのかどうかわかない!今日日、自動アップデートは必要ですよね。
音源に関して
  • 音源によってはMP3のストリーミングしか出来ない。これは音源使用の契約に関する問題だと思いますが、16bit/44.1kHZ ロスレス・ストリーミングが出来ない音源が思いのは多く有りました。特に気に入らなかったのはECMのカタログ。アルバム・曲を16bit/44.1kHZ でダウンロードし買うことは出来るのに、ストリーミングはMP3のみでした。  
  • 扱っている曲の制限。宣伝では2千4百万曲と謳っており、すごいと思うのですが、実際に探すと出てこないもののほうが多かったような気がします。まあ、これもレコード会社との契約・交渉の問題なのでしょうけど、特にちょっと時代をさかのぼると、無いのが多かった。たとえばピェール・フルニエで検索すると、あるのは30枚程度のアルバムのみ。その中には重複するもののありました。こういうときは、マーフィーの法則で、聴きたいものがないのですよね。あと、僕が好きなChannel Classicsのものはひとつもありませんでした。
  • 重複が多い。前回も書きましたが、特に50~60年代のジャズで重複するものがとても多いのはどうかと思いました。

今後の展望、当地での動き等

ちょっとランダムになりますが、僕なりにヨーロッパに住む者の観点から見てみると。

音楽を聴くスタイルの変化
音楽を聴くスタイルは、買ってダウンロードしたものをコンピュータやiDeviceで聴くという形から、ストリーミングに変わるというのはほぼ確実なトレンドだと思います。ほぼすべてのミュージック・ストリーミング・サービス・プロバイダーは、テンポラリファイルをスマホに落として、期限付き・あるいは認証条件つきで、オフラインでも聴くことできるオプションを提供しています。特に音楽鑑賞・オーディオを趣味にしているのでなければたぶんこれで十分かとおもいます。マイナーですが面白いトレンドとしてアナログ版の復活があげられると思います。このブログですでに取り上げましたが、今当地ではちょっとしたアナログ盤ブームで特に若い世代(十代後半~二十代前半)が男女問わず中古・新品のアナログ盤を買い求めている姿をよく見かけます。これと同時にヘッドフォンのみでなく、スピーカーでも聞くというのも同じ若い世代を中心にトレンドになりつつあるようです。もっと一般的な形だとYou Tubeで聴くというのともあげられると思います。多くのメジャー・アーティストがYou Tubeでオフィシャル・ビデオを流しているのもこの為で、レコーディングの売り上げにはつながらないかもしれませんが、広告・PRといったマーケティング・コストの節約、YouTubeから得られる広告費などを考えると、今の時代では理にかなった戦略といえるのではないでしょうか?

ワイヤレス・ネットワーク型オーディオ機器
欧米ではハイエンドに限らず、さまざまな価格帯でワイヤレス・ネットワーク型のオーディオ機器が出てきており、定着しつつあると思います。いわゆる単体のネットワーク・プレーヤー、前に僕のHPに書いたSonosのように多機能・小型・シンプルでそれぞれで完結したオーディオシステム (こちらをご参照)、WiFi・ネットワーク再生機能を内蔵したプリメインアンプやレシーバー等さまざまです。とくにSonosのようなシンプルで完結したシステムの人気が高いようで、今ではさまざまなメーカーが同様なコンセプトの商品発売しています。オーディオ機器専門メーカーだとLinnのKiko Systemや最近でてきたDevialetのPhantom(下の写真)などがよい例だと思います。

斬新なAll-in-One のハイエンド・オーディオ製品「Phantom」http://en.devialet.com より引用)

これらネットワーク型オーディオ機器は、各種ミュージック・ストリーミングサービスに対応しており、Spotify, Deezerはもとより、Sonos や Devialetはqobuz やTidalの 16bit/44.1kHZ高品位 ロスレス・ストリーミングに対応しています。 これらの機器の多くはAudio-Visual環境で使うことも想定された機器が多いので、YouTubeやNetflixといった動画ストリーミングサービスもサポートしているのがほとんどです。トレンドとしてはこのような機器がより一般的に消費者の間に浸透していくことが考えられます。

さすがご当地メーカー、フランスDevialetの機器はいち早くqobuzロスレスストリーミングに対応 http://en.devialet.com より引用)

需要と供給
これだけ動画ストリーミングがある時代ですので、高品位音楽ストリーミングということは、技術面からするとそれほど画期的では無いことのようにに考えられますので、今後の展望としては市場が広がるかどうかということだと思います。

僕が試聴・比較した限りでは16bit/44.1kHZ高品位ロスレス・ストリーミングとMP3レベルのストリーミングの差が顕著に聞こえたのはやはりメイン・システムで聴いた場合で、それ以外だとSonosで聴いて若干QobuzのほうがSpotifyよりいいねという程度、パソコンの内蔵スピーカーあるいはヘッドフォン端子で聞く場合はSpotifyのほうが聴き易く感じたことも多く有りました。ということは、消費者の観点からすると音の違いがわかるそれなりの機器を持った人でないと、ロスレス・ストリーミング・サービスに余計に料金を払う価値がはっきりとわからないという人の方が多いということが考えられるかと思います。ロスレス・サービスのほうが音源の数が少ないというとなおさらだと思います。こう考えると、ロスレス・サービスは、ハイ・レゾ・ダウンロードのようにニッチ市場に特化する方向で動くのかなという気がしています。

これらサービスの供給の先行きは音源の供給次第ではないかと思われます。これに関しては、レコード会社、そしてアーチスト次第なのでなんともいえません。でも動画ストリーミングを例にとると、Netflix、Hulu、Amazon、iTunes Storeなど動画のストリーミングは数多くありますが、一定料金で見放題というサービスの場合、どうしても観れるタイトルが限られてきて観たいものがない場合のほうが多いと思われた方が殆どなのではないでしょうか?更には一定期間過ぎると観れない(無くなる)タイトルも数多くあります。もともと、メールオーダーでDVDをレンタルするサービスで起業・躍進したNetflixはタイトルの制限などでそのストリーミング・サービスの存続が危ぶまれた時期もありましたが、ストリーミング独自の連続ドラマを作りそれがヒットしたことにより、ストリーミングが存続できたとされれています。音楽ストリーミングの場合はどうなるのでしょうか? 各社が配信タイトル・アーチストで差別化していくのか?プレイ・リストで差別かするのか?先行きがわからないところがあるかと思われます。アップルが最近発表した、人間のDJでライブで選曲・配信するプログラム・チャンネル付のストリーミング・サービスというのもいいかもしれません。これだけ多くの音楽がネット上に氾濫しオンデマンドですぐに聴ける時代にあっては、何を聴きたいのかわからないという矛盾やわからないから知ったものだけしか聴かないというジレンマもあり、また、昔のラジオのようなまだ無名なアーチスト・ヒットする前の将来の名曲の情報の発信源も実際には少なくなっているので、アップルの目の付け所は結構いい線いっていると思います。

音楽にとってもっとも大切なのはそれを産み出すアーチストたち。残念ながら彼ら・彼女らにとってはストリーミングの台頭は作品を多くの人々に聴いてもらえる機会の増大につながる可能性はたかくなるも、必ずしも朗報とはいえない部分のあるようです2013年1月のNYTimesの記事で
『ストリーミングが音楽業界の印税制度を揺るがす-ミュージック・ストリーミング業界の成長によって印税の流れが大幅に減少』(「Streaming Shakes-up Music Industry's Model for Royalties - as music streaming grows, royalties slow to a trickle」)というのがありました。これによると、
  • iTunesからの販売では一曲あたり7~10セントの印税がアーティストに払われていたが、Spotifyを例としたストリーミングの場合、有料会員による一曲あたりの再生には0.5~0.7セント、無料会員の場合は0.05~0.07セント支払われる。
  • ストリーミング・サービスの有料会員数が2千万人以上でないとビッグ・アーチストでもストリーミングサービスに配信権を与えたことによる売り上げの損失を補填できない、というメタリカ、ジミー・ページ、レッド・ホット・チリ ペッパーズを擁する音楽事務所『Q Prime』社長の談話もありました。
この記事は、アーチストにとっての印税の減少は、ストリーミングがメインストリームになるまでの過渡期のものなのかも知れないと締めくくっていましたが、実際にはどうなるのでしょうか?

CDなどへの影響
ヨーロッパ、少なくともウィーンでは家電量販店などでCD売り場の大きさは減ってきています。それは往々にネットによる音源販売・配信、特にストリーミング・ダウンロードの影響が大きいと思いますが、狭くなったCD売り場の代わりにアナログ盤売り場が新設され拡大されているということに示される、アナログ盤の躍進も大きな要素のひとつだと思います。流行りの音楽(ロック・ポップなど)の多くがアナログ盤で数多くでていうのはもとより、ここ数年の間にウィーンでは中古レコード店が新たにオープン、レコード市が開かれる回数もだいぶ増えました。中古レコード店やレコード市では若者を多く見かけ特に女性も多いのはより一般的にアナログ盤が受け入れられているということでは無いかと思っています(もしかすると単に流行っているというだけかもしれませんが...) 新品アナログ盤の多くには音源ファイル(殆どMP3ですが)をダウンロードできるコードが付いているということ、製造・販売量が増えたせいか、新品アナログ盤の価格がだいぶこなれてきて、一時期のCDの値段(こちらだと15~20ユーロ)で買える様になったも人気の理由かと思います。

それに反応するようにCDの値段はさらに安くなりこちらは10ユーロ前後、廃盤になり、プレミアムが付いていたCDの値段が、下がってきたことは嬉しいことです。これには、ロスレス・ストリーミング/ダウンロードの影響も大きいと思います、とくにクラシックで顕著に見られます。で、ちょっとうれしくないのは、中古レコードの値段が上がってきたこと。特にロックやポピュラーでは、特に初期盤でなくても中古のほうが再発の新品より高いということをよく見かけるようになりました。僕は、CDより音もいいし、値段もだいぶ安いしと中古LPを買うことが多かったのですが最近はCDにしようかと悩むことも増えてきました。ちなみに、クラシックやジャズの新規録音(特に新進のアーチスト)は、まだCDが主体かと思います。

とりあえずの結び
音楽愛好家にとっては多くの音源を手軽に思い立ったらすぐに探して聴けるということはすばらしいことだと思います。廃盤になって高いプレミアを払ってかったCDやレコードでしか聴けなかった音楽の多くもネットで探して聴けるのもとてもありがたいことだと思います。それと同時に音源と情報の洪水のなか新しい音楽・音楽家を見つけるのは意外と難しい時代になってきたのかもしれません。

ストリーミングはいいですが、将来的にずーと存続されるという確約はやく、また聴いていた曲・アーチストが配信をやめる可能性もあるわけで、また、ダウンロードだけだとデータを破損してなくしてしまう可能性も現実性をもったものですので、やはりものとしての媒体をもっていたいという気持ちも往々にあるわけです。

自分はというと、最近は一番よく聴くのがアナログ盤、その次がSpotify、リッピングしたCDをPCオーディオで聴く、そしてQobuzという順です。あれだけ、時間と資金を投資したCDやPC Audioが第3位というのは不本意ではありますが、とくにロックやポップスの新進のアーチストたちの音楽をアナログ盤で聴くとなにか、『CD時代に求めてきたオーディオの音は、実はアナログ盤の音だったんだ』という感慨にとらわれ、まるでオズの魔法使いのドロシーになった気持ちです。でも、クラシックはまだCD全盛ですからそれは、PCオーディオかもし配信されていればQobuzで聴いてよければ、あるいはなければCDを買うというのが今の僕にあったスタイルになりつつあります。でもQobuzできけてSpotifyできけないというのは殆どないので、Qobuzをやめて、Spotifyだけにしようかと考えているところです。


2015年6月4日木曜日

Volksgarten(フォルクス公園)のバラ

Nikon D750 /AF-S24-70 F2.8で撮影
先週のウィーンは15度前後の日々が続いていたのに、今週は30度近くなりもう真夏天気。
日も長くなり、夜8時過ぎまで十分に明るくなりました。

上の写真は、旧オーストリア・ハンガリー帝国皇帝の宮殿(ホフブルグ)に程近いところにあるフォルクス公園。5000本以上あるというバラが咲き乱れ今見所です。公園に入るとふわーんとバラの香りがしていい感じでした。(7時ごろに撮影)。

2015年6月1日月曜日

「All For Autism」自閉症のためのチャリティーコンサート



先週は、体の調子を崩して二日ほど寝込んだのと、職場の大きな会議があったことが重なって、更新できませんでした。

さて、週の終わりの5月29日金曜日の夜、ウィーンを拠点に活躍する若手コンサート・ソリストたち(20代前半)が集まって自閉症互助・援助機関 「Autistenhilfe」ためのチャリティーコンサートに行ってきました。会場はHaus Der Industrieというビルの大ホール。ちょうど楽友協会とコンツェルトハウスの間ぐらいにあります。現在は、The Federation of Austrian Industries(オーストリア産業連盟)の本部ビルとして使われているようで、イベントにホール等は貸されるようです。

余談になりますが、ウィーンにはこのように音楽会の会場になりうるホールが数多くあり、まさに音楽の都。ちなみにこの会場から楽友協会まで徒歩5分、コンツェルトハウスまでは徒歩3分、オペラ座までもせいぜい徒歩10分。徒歩20分圏内だと、ベルベデーレー、アルベルティーナ、美術史美術館、アン・デア・ウィーン劇場までも足を伸ばせます。ウィーンには文化施設が数多くあるだけではなく凝縮されて詰まっているので、音楽・美術に興味がある人にとっては理想的な街かもしれません。

今、当地で人気上昇中の新進バイオリニスト、Yury Revichさんがプロデュースしたこのチャリティーコンサート、若い音楽家の才能と情熱あふれる演奏には聴いていて心が共鳴し熱くなりました。とてもよかった。

出演者はみんなすばらしかったですが、Yuryは当然のこと、とくにチェロのHarriet Krijgh、Brendan Goh(15才!)そしてピアノのMagda Amaraは、機会があればリサイタルにいって聴いてみたいと思いました。要注目です!

Yury RevichのHP:  http://www.yuryrevich.com

Harriet KrijghのHP: http://www.harrietkrijgh.com

Brendan GohのデビューCD:http://ml.naxos.jp/album/ARS38752

Magda AmaraのHP: http://magdaamara.com/

Autistenhilfe HP (自閉症互助・援助機関): http://www.autistenhilfe.at/